20年前に沖縄に移住して以来、島民の暮らしに息づく古き良き伝統文化に触れ、その豊かさを感じてきました。しかし、最近では、新しいテクノロジーの登場により、人々の関心は伝統文化から遠ざかり、昔ながらの習慣が薄れていくのを実感しています。
映画「ウムイ~芸能の村~」は、コロナ禍における困難な状況の中で生まれました。
パンデミックの状況下において文化芸能活動が停滞していた時、私は、宜野座村がらまんホールのプロデューサーである小越友也氏とともに、宜野座村で伝統芸能に情熱を注ぐ人々とお会いしました。彼らは、世代を超えた繋がりを築き、伝統の継承、文化の発展、それらを融合させ新しい価値観を生み出すことで、沖縄の芸能文化を守ろうと奮闘していました。
私は沖縄の伝統芸能、文化を若い世代に伝えようと尽力する彼らの姿に感銘を受けました。文化を継承していく方法は、人それぞれです。
伝統を厳格に守り、古き良きものをそのまま伝えようとする人もいれば、型にはまらず、現代的な要素を取り入れ、新しい表現に挑戦する人もいます。
しかし、彼ら全員に共通するのは、琉球王国時代から脈々と続く、沖縄の歴史と文化に対する深い愛情です。
彼らとの会話を通して、沖縄の文化がいかに人々の心に深く根付いているかが伝わってきました。
言葉には、伝統芸能や沖縄文化への深い愛情と情熱が溢れ、同時に、継承していく上での困難や葛藤も垣間見えました。
この映画では、村の象徴であり、守り神である獅子に導かれながら、彼らの文化への愛をみなさんと共有し、さらにこの映画を見ることで、私が撮影中に感じた“心の落ち着くやさしい静けさ”も分かち合いたいと思いました。
【あらすじ】
沖縄本島宜野座村
人々を守り、悪霊を払う獅子が村を見守っている。
パンデミックの渦中にあるこの村で、伝統芸能を守ろうとする様々な世代の人に出会う。
伝統芸能を愛することも、伝統芸能が消える悲しみも全てを分かち合い、守るために奮闘する彼らの姿を目の当たりにするだろう。
ウムイとは
沖縄の言葉で、「思い」という意味である。
琉球独自の文化、琉球芸能が今も生活の中にある沖縄、その芸能と共に生きる人々の「ウムイ」を追ってみた。
この映画を通して、まだあまり知られていない沖縄の文化を広めることに貢献したいと考えています。しかし、私たちがどんなに努力しても今後、沖縄の文化が生き残るのか、生き残るとしたらどのような形で残るのかは分かりません。
『映画ウムイ』によって、存続の危機に瀕している文化を彼らなりの方法で守り、生かそうとしている「伝統の守護者」たちに敬意を表したいです。
ダニエル・ロペス、2024年春
映画うむい予告編
映画祭
2022年
東京国際ドキュメンタリー映画祭「映像人類学」部門グランプリ受賞
2023年
第12回・映画における民族と音楽の映画祭、トゥールーズ、フランス
第12回・カンボジア国際映画祭、カンボジア・プノンペン
第23回・日本コネクション映画祭、フランクフルト、ドイツ
第37回・パルヌ国際ドキュメンタリー映画祭, エストニア
第18回・カメラジャパン・フェスティバル、ロッテルダム&アムステルダム、オランダ
第3回・「オクシタニー州における日本の15日間」、トゥールーズ、アレス(フランス)
2024年
第10回・銀幕日本映画祭、チューリッヒ、スイス
キャスト

金城平枝
私は指導者として舞台に立つ子供たちを育て、一人一人が輝いていくのを私は見ていきたい。

比嘉 優
老人は時間がありますけどね、終わりが近づいていますから。若い人を育てないとね。

宮城 小寿江
子供達をどうやって繋ぎとめるかが課題です。発表の機会がないと芸能は無くなると思います。

宮城 豊子
80年、あまりに苦労しましたが芸能だけは1日だって忘れたことはない。

仲原 瑠季
伝統芸能を守ることが、
まず自分がやること。

島袋 拓也
伝統と創作の固定概念を崩して行きたい。
型を破る派だから。

仲本 あい
ちっちゃい頃からお父さんが笛を作るのをよく見ていた。私もやりたいと思ってた。

前田 心誠
将来は野球選手になりたい。
でもプロになれなかったら踊りを教える。
スタッフ
監督・脚本:ダニエル・ロペス
撮影:小橋川和弘
整音&サウンドデザイン佐藤祐美
制作:石田玲奈
編集:ダニエル・ロペス、佐久川満月
音楽:ドゥニ・フォンタナローサ
色調整:ダヴィッド・コポス
プロデューサー:小越友也
アソシエイト・プロデューサー:土肥仁(株式会社VIVARYUKYU)
制作:株式会社VIVA RYUKYU メディア企画
協力:宜野座村文化のまちづくり事業実行委員会
75分
言語:日本語
字幕:フランス語、英語、イタリア語
制作時期:2022年11月
制作国: 日本
